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80年代生まれが綴る非生産的なブログ

ドラクエ11のシステム面での感想

子供の頃、初めてプレイしたRPGドラクエ5だったのですが、それはもうハマった記憶があります。主人公は少年から青年となり、結婚をし、子供を授かる。ファンタジーに人生を盛り込んだストーリーに感動し、何度もプレイをしました。

それからSFC版で1,2,6とプレイし、PS版で4をプレイした後、初3Dとなった7は酔うのでプレイすることができず自分の中でドラクエは少しずつフェードアウトしていきました。

それから十余年経った今、ドラクエの新作が据え置きハードで久しぶりに出るという情報を得たので調べてから予約するまでは早かったです。

8が発売する時にはさほど興味はなかったのに11では何故か気になったんですよね。多分これは物語がロトの系譜だったり、ドラクエが30周年を迎えて堀井氏、鳥山氏、すぎやま氏が現役で作品を作るのはこれが最後かもしれないと思ったからだと思う。

そんなドラクエ11に期待をして有給やお盆休みを使って先日裏面を含めてクリアをしたので感想を書こうと思う。

非常に長くなってしまったので今回はシステム面からのドラクエ11を語りたいと思う。

PS4というハードでの体験

据え置きハードでゲームをするのは実に十数年ぶり。技術の進歩はってのはすごいなぁと嫌でも思い知らされました。実際にドラクエ11をPS4でプレイすると、ドラクエ特有の温かみある世界が画面いっぱいに美しく広がり、キャラクターがそれぞれの等身で存在して動いている。これだけで2Dのドラクエしか知らない自分は驚きました。

NPCが話すときもわざわざ目線は主人公に向けるとこなんかも良く出来ていて、意味もなくNPCの回りをぐるぐると歩いたりもしました。

動きについては戦闘シーンがすごくよく出来ていて、フリーカメラでキャラやモンスターを観察するとよくここまで作り込んだなぁという印象。いやもう序盤の敵もかわいくて戦うのが忍びないくらいでした。

ただ3Dによる弊害も少なからずあり、前述のDQ7ように3D酔いをするので、最初のお城探索をするときに具合が悪くなってロクに建物の中を見て回ることができなかったのが残念でした。TPSだけど建物内に入ってぐるぐると歩いているとカメラの近さのせいか画面が揺れるんですよね。ほんとこれが辛かったのが残念でした。それ以降、街探索のときは注意して行いましたけど。

スキルボード(ビルド)について

スキルボードはDQ3,6あたりの転職とは異なり、各キャラの特性を3~6系統ぐらいに分岐させ、プレイヤーの好みに応じてカスタマイズする仕組みです。

しかしこれは旧作同様にレベルを上げれば全系統を網羅出来るため、最終的な差別化は行われません。この辺の緩さというか頑張ってみんな横並び感はドラクエらしいというか日本っぽい仕組みです。洋ゲーネトゲなんかは限られたスキルポイントを割り振って特化したり、試行錯誤して万能キャラを目指すわけだけどドラクエ11ではレベルを上げきれば全部楽しめる親切設計です。

それでも序盤から中盤まではどの系統を伸ばすかプレイヤーに委ねられるわけですが、このあたりを模索するのは楽しいですよね。洋ゲーネトゲじゃないけれど最適解みたいなのを追い求める派と好きなスタイルで行く派、流されて失敗するタイプなんかが出てきて。後半までスキルの振り直しができないの緊張感もありつつ、最終的にはコンプできるビルド設計も嫌いじゃないですね。

鍛冶について

鍛冶は昨今のゲームデザイン上、エンドコンテンツを提供するために必要な装置のため導入したんだろうなという印象。

お店や宝箱、イベント等で現物が手に入るのは簡単なので、よりゲームをプレイさせるためにネトゲや周回狩ゲー等で導入され、ここ10年くらいで一般的に浸透したシステムである。自分も例外なく収集ゲーには慣れてはいたが、いかんせん面倒な面も多々ある。AをつくるのにCとDを掛けわせてBを作る必要があるなんてことはざらに存在し、素材の収集量が増えるため作業感が増えてイヤになる。

しかしドラクエは序盤から中盤は鍛冶によるアイテム生成を強制しない。店売りや宝箱のアイテムで十分やっていけるように設計されている。

では鍛冶をどのように浸透させるかというと、クエストによって需要を発生させるのだ。クエストは無理にこなす必要はないがはじめは必要な素材も集まりやすく、試しに作成してクエストを完了することができ、達成感を得ることが出来る。このようにハードルは低くして新たなシステムを導入するのは有りだと感じた。

また、一般的なアイテム作成のシステムでは素材を集め、条件(レシピや練度)が揃えばボタン一つで出来上がる訳だが、ドラクエ11ではアイテムを作成する過程をミニゲームにしたのだ。このミニゲームの結果によって成果物の性能がプラスになるため、面倒だけどやってみようという気にさせる。こういう楽しいと思える体験が大事だと思う。

他のゲーム、特にネトゲに多いのだが作成されるアイテムの付加効果をとてつもない素材にするか運に左右される設計となり、場合によっては効果がマイナスになったり、物自体が消えてしまうリスクが存在する。アイテムを作成する上でドラクエ11には一切のデメリットが無いのだ。

コアなゲーマーには温いと感じるかもしれないが一般的なプレイヤーやゲームにハイリスク・ハイリターンを求めていない。頑張った結果は必ずプラスになってほしいのだ。そしてその上限は驚くほど達成しやすい。先のスキルボードと同様にレベルを上げきればみんな到達できるように鍛冶も設計されている。ゴールが見えるから諦めずに最後までやることができるのだ。こういった一般向けに作っているからドラクエは国民的ゲームの地位を築けているのだと思う。

キャンプについて

リスクの無いスキルの振り直しも頑張ればなんでも作れる鍛冶も世界各地に存在するキャンプ(セーブポイント)のいきすぎたサービス内容には及ばない。個人的にはこのキャンプの存在こそがドラクエ11のシステムにおいて良くも悪くも要だと感じている。

そもそもRPGというのはパーティやアイテムのリソースを管理してプレイをするものだ。しかしそのリソースを容易にリフレッシュすることができるのが今作のキャンプという存在だ。

キャンプではドラクエではおなじみの教会機能の他に、スキルの振り直し、鍛冶、アイテムの売買、ノーコストでHPMP全快、移動手段(馬)の確保、仲間とのコミュニケーションが行えるスーパースポット。おまけにキャンプの位置は初見でもマップを見れば確認出来るし、一度でも休んだことがあるキャンプはルーラに登録することができる。

ドラクエ11のスキルや鍛冶についてはヌルいとは言え、序盤はスキル取得の取捨選択があったり、多少の努力が必要だったりするがキャンプはRPGのゲーム性を大きく壊したと感じた。極論を言えば、キャンプがあれば町にお店や教会や宿は必要なく、全滅の心配をしないで冒険をすることが出来るのだから。

しかしこればかりは時代なのかもしれない。次世代ハードになってドラクエの世界は美麗な3次元になり情報量は増え、コンテンツも増えたわけだからこういった利便性を用意しないとダメなのかもしれない。自分もキャンプに毒されてこれなしのドラクエ11は考えられないくらい必要な機能となってしまったのだから。
(同様のシステムが既に昔から一般的だった場合はごめんなさい・・・)

ゾーンについて

ここ最近のタイトルではメジャーになったテンションシステム。その代替として採用されたのがゾーンとなる。
ゾーンはあまり詳しくはないがドラクエ8のテンションに近い仕組みだと思うがあちらほど能動的なものではない。8ではためるコマンドや道具を使って積極的にテンションパラメータを上昇させ戦闘を有利に進めるのだがゾーンは若干異なる。
ゾーンは戦闘参加での経過ターン数と被弾値によって蓄積される内部パラメータが上限に達したときに発動する状態である。

そしてこのパラメータが確認できないため些か使い勝手悪い。まぁ次の戦闘に持ち越せるのでゾーンに入ったら別キャラに入れ替えて維持した状態で別の戦闘をすればいいわけだがちょっと使いにくかった。唯一主人公のみがスキルで「ゾーン必中」なる 特技で必ずゾーン状態になるわけだがこういったトリガーがほかキャラにもあればもっと連携技やステータスアップの恩恵を受けて戦闘が楽しくなったと思う。

ただ連携スキルの性能が割りと強すぎる(数ターン無敵や敵をメタル系にする、取得EXPとドロップ上昇等)ので仕方ないのかもしれない。

モンスターライドについて

果たしてモンスターライドという名称でいいのだろうかw

モンスターに乗れる仕組みはDQモンスターズとか8から導入されたシステムかと思うがモンスターに載ってダンジョンを探索できたり、モンスターに乗らないと進めないエリアもあって広大な世界となったドラクエ11にマッチするシステムだと感じた。

個人的にはワールドマップ外界の南東にある無人島郡でハデスナイト(翼竜)にのって島を飛び回るのがすごく心地よかった。滑空によって海面を飛ぶのも、岩肌を舐めるように飛び回るのも、崖の頂上で朝日を見るのもPS4ならではの体験だと思った。

マジックスロット(マジスロ)について

ドラクエ11に実機さながらのスロットゲームが登場した。これは今までのスライムレースやすごろく場といったミニゲームの一線を超えたガチなゲームだ。
自分は普段スロットというのはやらないがゲーセンやパチ屋に設置されている台と演出や役、リールの挙動などが実機さながらなのだ。おまけにビッグからの連チャンでどんどんコインが増えていったらやばい。一時期パチンカス養成所とネットで言われるほどの完成度(褒め言葉)のミニゲーム。超しもふりチャンスにめちゃ熱くなったのは記憶に新しい。

ドラクエ11のシステムについて

 ゲームってのは疑似体験の一つであってとりわけRPGというジャンルではストーリーや音楽やろんなイベントをゲーム内で体験することを目的としている。そういった体験を100%楽しむのに必要なのが(RPGにおける)システムだと考えている。
ドラクエ11のシステムは従来の要素を取り入れつつも新たな便利機能を用意し、沢山の人に永く楽しんでもらえるように非常に高いレベルでもてなしていることが非常に素晴らしい。
このもてなしのシステムこそが多くの人に愛され、国民的ゲームと称されるドラゴンクエストに一役かっているのだと実感しました。

 

ストーリーやキャラについては後日また書きたいと思う。